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Card Name花びら・越ヶ矢ウサギ
Issuer NameHomo_sacer
Description東亜細亜統一戦線・赤風の依頼は、新京廃墟区域にて潜伏するとされる「箱男」の暗殺だった。「箱男」はアヘンの密造とアンダーグラウンドマーケットの実質的指導者であると同時に、赤風からの脱退者を匿い不都合な情報を握っている噂から目の仇にされているようだ。ウサギは、スラムでの暗殺稼業はリスキーなので報酬を弾むように要請した。赤風暗殺部隊の下っ端、湖秦麻に根掘り葉掘り事情を聴いたところ、案の上、「箱男」に追従する住民がいて末端部隊では手をこまねいており、フリーのアサシンであるウサギに仕事を任せたとのことだ。ウサギは826MONAで承諾した。「箱男」は特殊なカリスマ性からスラム住人を「洗脳」して愚連隊を結成しているとのことで、彼らとの戦闘も考えると前途多難な任務に思えた。ボンベを満タンに準備を整え、スラムに足を運ぶと早速「箱男」のフォロワーと思わしき四人組がウサギを取り囲んだ。男たちはみな顔にすっぽりとサイズ違いの箱を被っていた。「そこのお前、ここになんか用事あるの?」「父からアヘンのおつかいを頼まれて来まして...道もよくわからず立ち往生しているところでした...」「ふーん。見ない顔だな。親父の名前を言ってみろ」「父の名は...”お前ら全員、脳漿にサヨナラしろ”だ」。そう言ってウサギは携行したボンベの栓を緩めると、屠殺銃を愚連隊の一人の額に押し当てた。「え、何こ(バシュッ!とガスの塊が一瞬にして男の脳を部分的に消し飛ばした。ウサギの身のこなしの迅速さに残りの三人はたじろぎ、隙だらけになったところを間髪入れずにウサギは一人ずつ銃殺していった。「こんなものか。赤風はなんでこんな連中に臆病風に吹かれたんだろう」そう思いながら、緊張感も薄らぎつつ、アジトと思しき半壊した楼閣に踏み込んだ。すると敷地の奥から言い知れぬ不気味なオーラが漂ってくるのをウサギは肌で感じとり、ヒヤリとした汗が一滴、頬を伝った。薄暗い建屋でよく目を凝らすと、フォロワーの男たち(各々、頭に箱をすっぽりと被せている)は攻撃をするそぶりもなく、横並びに棒立ちしているのを見た。彼らの並びの終わりに、応接間のような空間があって、そこには質素な籐椅子に背筋をまっすぐに座っている「箱男」がいた。「お前か箱男は。お前を殺しに来た」とウサギは言った。「君はアサシンか。何のために私を殺す?」と「箱男」は言った。「さぁね。それよりお前ら、全員、箱を被りやがって。どれが本物かわからない。全員殺すことになるな」「この場にいる箱男を全員殺したところで、箱男はいなくならないよ。箱男は、そうだな、概念なんだよ。満洲、この想像共同体が生んだ虚構なんだ」。ウサギは「何が概念だバカヤロウ」と言って「箱男」の眉間に屠殺銃の銃口を当て、引き金を引いた。「箱男」はあっさりと死んだ。そしてその場にいるその他のフォロワーたちも一人ずつ殺されていった。奇妙なことに誰一人として抵抗してこなかった。ウサギは報酬を受け取りに赤風の支部へ戻ると、「箱男」たちから切り取った親指を詰め込んだ袋を湖秦麻に放り投げた。「どれが本物かわかんねぇけど、殺したよ」「そうか。だが確認してからでないと全額は渡せん。2~3日後、もう一度来い」。後日、もう一度訪れると、湖秦麻は不可解な顔でこう言った。「指のひとつは間違いなく目標のものだ。しかし昨日、諜報員はスラムに箱男の姿を視認したぞ。奴はまだ生きている」「いやちょっと待て。ターゲットはヤッたんだから全額払え」「だめだ。依頼はあくまでも「箱男の暗殺」だ。しかし奴はまた現れている。どういうことか確認して、殺してこい」。ウサギは面倒くさいと思った。しかし死に際の「箱男」の台詞に引っかかりを感じ、スラムへ再度向かうことに決めた。どうやら、「箱男」はただ殺すだけでは駄目らしい。奴の言った「想像共同体」に何か手掛かりがあるだろうか、とウサギは頭を痛めた。
Tag暗鬱少女態
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Version1